エクスタシー温泉Revolutions Vol.3.5
どう、聴こえてんの?
しっ!今あっちもシーンとしてるんですよ、この壁薄いんですから!
じゃ、俺、じかにくっつけてみっか。
…三蔵。起きてる?
何だ。
布団、くっつけてもいい?
寝られねえならもう一本、ビール呑め。
眠いのはすげぇ眠いんだけど…
…十分、近いじゃねえか。お前がまた布団蹴飛ばしたら俺は絶対気付くぞ。

なーんかカワイイこと言ってんじゃん。
「また」ってことはまだあの二人、家でも同じ部屋で寝てるんですかね?
だったら…今更布団くっつけるのに断りも無いっしょ。
あ、そうか。

寒いから蹴飛ばさないよ。
柄じゃねえだろ、あの眼鏡野郎みたいな持って回った言い方すんな。
うん…手…つないで、て、欲しいんだ。だってこの部屋慣れてないし。
…しょうがねえな、ほら。
やっぱ三蔵の手、冷たい。
てめえが子供体温なんだ。

あれ、僕のことでしょうかね、失礼な。
いいとこだから黙ってなって。

もう、そろそろ大人になれ。
…うん。
大人になったって、どこに居たって、お前には俺が居るのは変らねえだろ。
…うん。判ってる、んだけど。知らない部屋で目が覚めると、また、息が苦しくなりそうで…まだ、怖い。

…なんか聞いてんの、気が咎めてきました。
あの話だろ?悟空の母親が死んで、先代住職って父親にどうにかしとけって言われた三蔵が
寝てる悟空を負ぶって寺に連れて来て寝かしといたら、起きたときパニックで過呼吸になったって。
だからあの子、知らない部屋で一人で寝られないんですよね。修学旅行なんかは友達とくっついて雑魚寝だからいいけど。
へえ、八戒も雑魚寝だった?
ええ、僕なんか大人しいから隅っこで小さくなって寝てましたよ。貴方は?
俺、夜遊びしてて部屋で寝てなかっ…あ。
ふーん。ったく昔からお盛んで。
あっ、ほら、何だか進展してんよ?

さん、ぞ?
寒いからだ。暴れんなよ。
暴れな…い…おやす…


…体ばっかりでかくなっても、危なっかしくて、手なんか出せるか。

出歯亀共、何も起きねえから寝やがれ。
俺は寝る。


…バレてましたね。
バッチリな。で、どうします、亀一号。
今夜はもう、僕らも大人しく寝ましょう、二号。悟空にばれてないから、明日はお互い知らん顔で済むでしょ。
あ、一号の耳の周り、赤く輪っかになってますが。
え?まずいな…じゃ、明日朝早めにひとっ風呂、で血行良くしますかね。
ひと戦でもいいんじゃない?
前向きに検討させて頂きます。
ところで、俺ら布団はどうします?
…僕も冷え症なので。
はいはい。




最初隠し仕様で書いてたのですが、ごちゃごちゃするので、さっぱりまとめました。軽くインターミッション。

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