きょはっかい



 風呂上がりのつやつやした身体にとっておきのアニマル柄ブリーフを身につける。
 カーキと黒のまだら模様はまさにジャガー、ぴたっとフィットするそれを軽く叩くと鏡に向かってポーズを取った。
 「オレ様かっこいい〜」
 自慢じゃないが女にはもてる。いくら贔屓目に見てもそこらの男どもよりよっぽど精悍な顔をしているし、
骨張ってはいるが適度に筋肉のついた身体もセクシー極まりない。
加藤鷹にも負けず劣らずあっちの技も凄腕とくれば、これはもてないわけがない。
 「へっへっへ」
 天狗になろうも仕方ないというもの。自慢のブツは大きく堅く、自称プレイボーイの名に恥じず、発射も自由自在だ。

 そして、今日は悟浄にとって大変大事な日だった。

 内蔵を露出させて倒れていた綺麗な男を拾ったのは二ヶ月前。
 献身的な介護のお陰か、無事回復した男は、目にうっすらと涙をためて御礼を述べた。
 その目に魅せられた。
 無論ゲイではない。むしろ女が大好きで、柔らかい胸や大きなお尻、淫靡な秘所と女体ほど好きなものは無かった筈だったのだが・・・。
 欲情してしまった。
 あの翡翠の瞳に。
 ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。最愛の人を失って自暴自棄に陥っていた彼は人生を楽しむことを忘れていて、そんな彼に生きる希望を探し出してやり、お前が必要だと何度も態度に示し、安心感を与えるべく頑張った。悟浄に出来る精一杯の愛情を注ぎ込んだ。
 気が付いたら向こうもこちらを憎からず思っている様子で、さすがにその手の感情に目敏い悟浄はいち早く気づいてしまい、その揺れる感情を巧みに引き寄せた。

 もっとオレを好きになって。

 もっとオレに夢中になって。

 そして今。
 念願の初エッチが待っている。
 自室のベッドの上には・・・ほんのりと頬を赤め、全身を上気させた八戒が待っている。
 きっと、落ち着き無く身体を震わせて・・・。
 思わず吹き出した鼻血を乱暴に拭いながら悟浄は自らを叱咤激励した。想像で興奮してどうするよ!!! 
 覚えのある感覚に嫌な予感を覚え、下半身を見下ろすとジュニアがゆっくりと頭を持ち上げていた。
 想像だけで勃ってどうするよ!! この! この馬鹿息子!!!
 それでも妄想は止まらない。
 華奢な腰をひそりと上げて、秘所もあらわに悟浄を誘う八戒。
 可憐な唇から漏れる甘い息はとことん熱く、息も絶え絶えに懇願してくる・・・ごじょう・・・あなたが欲しい・・・。
 下半身を襲う衝動に勝てず、思わず手を伸ばして擦ったら出るわ出るわ青春の証が大量だあ。
 悟浄は自己嫌悪で思わず壁に身を預け、床にへたりこんだ。
 オレ、いくつよ? やりたいさかりのニキビ面高校生じゃないんだからさ・・・。
 ため息をつきつつ、しかし今まで数多くの経験を積んできたが、こんな感情は初めてだとしみじみ思った。
 彼を思うだけで心臓がどきどきする。彼を想像するだけで鼻血が溢れる。

 本気の本気で八戒に惚れてしまったらしい。



 寝室に入るとひんやりとした空気が肌をかすめた。
 薄暗い中ぼんやりと浮かび上がるはベッドの上に座る愛しい人。
 「お待たせ」
 「あ」
 振り向いて、頬を赤らめる。きっといたたまれない思いで待っていたのだろう。
 しっかりと着込んだ服の裾を握りしめ、まだ少し湿った髪の毛を額に張り付かせている。
 「覚悟、出来てるよな?」
 「・・・・はい」
 近寄ると唇を奪った。甘く、柔らかいそれを存分に堪能する。舌先で口内を隅々まで蹂躙して、荒い吐息が漏れるまで味わい尽くす。最高の美酒を味わっているかのような感覚に肌が泡立つ。
 ゆっくり離すととろんとした目つきの八戒がしなだれかかってきた。
 「悟浄・・・」
 「どお? 美味しかった?」
 「もう・・・」
 しまいまで聞かずにゆっくりと身体を倒す。スプリングの効いたベッドの上で軽く跳ねて、ふわりと収まったシーツの間、両手で頬を挟んで優しいキスを送る。
 怖がられないように、あくまでさりげなくシャツのボタンを外していき、高鳴る心臓を押さえつつ前を開けると雪のような白肌があらわになった。真ん中で存在を誇示する桃色の印が可愛らしい。
 うおおおおおおおおお!!!
 思わず雄叫びをあげたくなるほど艶っぽい眺めに、鼻血我慢、勃起我慢と必死に耐える。
 上半身を見ただけで勃ってどうするよ! オレ !!! 
 プレイボーイの名折れとばかり、中坊時代に友だちから教えて貰った秘訣を思い出した。

 『授業中に勃ちそうになったらさぁ、数学の公式思い出すといいぜ』

 上辺+下辺×高さ÷2=台形の面積・・・絹のような手触りの肌を味わいながら桃色の突起に触れる。ぴくんと震える身体を抱きしめてから、指で何度もつまんでは擦った。
 「あっ・・・あん」
 うひょーーーーイイ声!! サインコサインタンジェント!!! 舌で舐めると声が高くなる。うおおおおお! 円の面積=半径×半径×3.14!!!!! 左の突起を舌で、右の突起を指で虐めると八戒が耐えきれないと身体をじらし、綺麗な翡翠色の瞳が涙で濡れた。うひょぉぉぉぉぉぉぉ!!! 半径rの球の体積は4/3πr3、表面積は4πr2・・・やべえ! マジやべえ! 数学の公式効かねえ!!!! えーとえーと、なくよ(794)うぐいす平安京。なんと(710)素敵な平城京。ご苦労さん(593)聖徳太子。いいくに(1192)作ろう鎌倉幕府。ぜえはあぜえはあぜえはあ。
 震える手つきで下半身に手を出した。さりげなく触った八戒の息子ちゃんは既に大きく変化している。自分の行為に欲情してくれている事実が嬉しい。高鳴る胸を必死に押さえ、ベルトに手をかけ、下着ごと一気に引き下ろした。顔を出すはぷるんと震える八戒の可愛い一物・・・可愛い・・・・可愛い・・・。




ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア




 「どうしたんですか・・・悟浄」
 瞬間固まっていた悟浄は八戒の言葉に我に返った。
 「い、い、いや! 何でもない! 何でもない! な、なんか、オレも緊張してるみたいだ。
 だせーな、あはははは!」
 透き通るような笑みを魅せる八戒をぎゅっと抱きしめた。その柔らかい感触に酔いながら、しかし一瞬前に見た悪夢を忘れ去ることは出来ない。・・・な、な、なんだったんだ、あれは?
 八戒の股には見たこともないくらい素晴らしいブツが鎮座していた。
 まさに男!!!!といった感じの、黒々とグロテスクな一物が・・・。
 自分のより遙かに立派だったそれに気が遠くなりかけた悟浄である。密かな自慢としてきた己のジュニアは何なのか。情けない。情けない! いや、きっと目の錯覚だったに違いないと、消極的なことを考えながら、気力を取り戻して身体をずらした。

 うっ・・・

 しかしそこに鎮座するは変わらぬダイナマイツちんこ。すげぇ・・・マジすげぇ・・・。今までたくさんAVを見た。裏物も見た。でも、でも、こんな凄いの初めてみましたお母さん!!!!!!
 激しく萎えてきたが必死に耐えてそれを掴んだ。愛する八戒の物だ。
 愛する八戒の・・・八戒の・・・オレより全然でかいし!!!!! じゃなくて!
 そんなの、個性じゃないか。関係ないさ。ようは大きさじゃなくて質! テクニック!
 既に堅く立ち上がっていたそれを二三度挫くと八戒がなまめかしい声を上げる。
 「あ・・・ああん」
 喘ぎは可憐じゃねーかよこん畜生め!!!!
 泣きたい気持ちで口に含むとすぐに喉につかえた。おぅえっ! 全部入りきらねぇし!!!
 「いやっ、やめてください悟浄・・・そんな、そんな銜えないで・・・」
 銜えないで・・・と恥じらう八戒は最強に愛らしい。しかしオレの口内で暴れている八戒の息子は最強に凶悪だ。
 ぴちぴちはね回る錦鯉のようなそれを必死になめ回しながら、それでも何とか愛しく思おうと努力して、努力して、努力して・・・。



 「八戒・・・愛してるよ・・・」
 「悟浄・・・僕も愛してます・・・」
 なんとか挿入まで持ち込んでじらして揺らしてとことん愛した。
 愛してる、八戒。大好きだ、八戒。いつでもオマエと一緒にいたい。いつでも抱きしめたいし、抱き合っていたい。
 「悟浄・・・」
 キスをせがんでくる八戒をいなして、それでも脳裏によみがえるは可憐な八戒が持つ雄々しいシンボル。
 ・・・巨、巨、巨、巨根が何だってんだ!!! そんなものでオレ様の愛が目減りするわけねーだろうが!!!
 いくらなあ、いくらオレより百倍立派なブツ持ってるからって、そんなのへの河童。八戒のあそこがストロング金剛だろうがジャンボ尾崎だろうが大仁田厚だろうが柳田大元だろうがそんなのどうでもいい。

 だ、だってサ、愛って、そんなものじゃねーだろ?







劇終



ぐはぁぁぁぁ
マジいいのか? コレ? ヤバイ? ヤバイ? 発禁?!
ものすごーく頭悪い感じにしたくて、ごじょ、お馬鹿なんですけど、でも初体験のドキドキv→なんじゃこりゃあああああ的な、そういうオチを目指してみたんですが・・・。
撃沈。
下品にも程があるのでマジに返品可です。お気軽にどうぞ!
ただ、超楽しかった・・・(本音)


-- 注意点 --
これはパラレル58で「八戒は巨根だった!!!」ネタでありまして、通常の鳥旗58とは別人であることをここではっきり明記しておこうと、こう思います。ウチの八があれで巨根だったらもう可愛いところ何もない・・・(涙)


ではでは!!! 逃走
一条
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管理人のコメント:サイト開設したらお祝い品を下さると仰せのあった「Bird&Flag」の一条様から
景気よくお送り頂きました。アーリガトーゴザマースv
ほんとは、おまけつけたかったんですよ。「スネークフィンガー」で替え歌作るとか。「負けない負けない負けないよ〜♪(5)」(笑)
でも仕事がちまちま忙しくってできなかった。クヤシイ。そのうちでっちあげられたらひそかにつけます。
ファイル名「どうそしん」にしようかと思った。なんかそこまでご立派だとご利益ありそじゃないですか?さあ皆さんレッツ拍手。パンパン。

当分錦鯉を見ると失笑しそうです。

BGMはCURE「Why can't I be you」でいかがでしょう、一条様?